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ノーカントリー(NO COUNTRY for old men)

quote

今回紹介するのは、わたしがリスペクトするコーエン兄弟の最新作ノーカントリー。

主演の保安官エド扮するトミー・リー・ジョーンズのナレーションで始まるこの映画は、1980年代のテキサスを舞台に保安官のエドの視点で描かれている。

テキサスに住む普通の男モス(ジョシュ・ブローリン)は、鹿狩りをやっているとき偶然、麻薬取引が何らかの理由で失敗した現場に出くわす。

ここでモスは、大量の麻薬と現金を発見し、その多額の現金を持ち去ることから彼の人生が大きく変っていく。

現金を持ち去られたことを知った犯罪組織は、殺し屋のシガーを差し向ける。
(「Chigurh」だからシガーが正しいのだが、映画内で一部シュガーと言うシーンがある、これはネイティブにしか解らない何か意味があるのだろうか?)

ハビエル・バルデム演じる殺し屋のシガーは、酸素ボンベにホースが付いた独特の凶器を持ち、独自の殺しルールに従って無感情で殺しを繰り返す異常な男。
時にはコインの裏表で殺すかどうかを決めるほど。

地元の保安官ベルは、モスが事件に巻き込まれたことを知り彼を何とか保護しようとする。また自分の助手を殺したシガーが、モスをも殺そうとしていることを知り、何とか捕まえようとする。

ベルは、親子3代保安官を務めてきたほどで、根っからの善人であうがため、このところ(1980年)の犯罪に理解が出来なくなっていた。

この普通人モスと、悪人シガー、善人ベルらの全く違う3人の姿を描きながら、銃撃戦などバイオレンスな部分と、ある意味猟奇的なところもありながらも、コーエン兄弟の得意とするブラックなユーモアで味付けされた作品。

その中でもやはりハビエル・バルデム演じるシガーの存在が見所の1つといえる。
アカデミー賞助演男優賞を獲ったその演技は伊達ではない。


コーエン兄弟はインタビューで、これまでとは違った作品に仕上がったと言っている。
確かにこれまでにはない要素が盛り込まれているが、特徴的なキャラが豊富に出てくるところは健在である。


それにしても「ノーカントリー」の映像は美しい。
その美しさがテキサスの荒涼とした風景とミスマッチしていて、何とも言えない雰囲気を醸し出している。

このところのコーエン兄弟の作品に見られる、出演者の誰かがこだわっている物を見つけるのも楽しみの一つ。

Comments

美雨
はじめまして。
トラバをお返ししたかったのですが
なぜか送信エラーになってしまうので
コメント欄にお邪魔しました。
トラックバック ありがとうございました*
446
美雨さんこちらこそ初めまして。

わざわざコメント有難うございます。
わたしも送信エラーになることがあります。トラックバックの相性があるみたいですね。
ぴむ
これは難解な映画だと思いました。
アメリカ人のメンタリティでないと理解できないところがあるのかなあ、なんて。
恐ろしい殺人者がどこまでも追ってくるというシチュエーションには、筒井康隆の小説「走る取的」を思い出してしまいましたが、そういうスリルとサスペンスだけでもないですしね。
446
ノーカントリーは、1980年代のアメリカで犯罪が急増した頃の設定のようですね。
殺人鬼シガーの存在が強烈で、彼が中心のように思ってしまいます。
でも昔の犯罪と、今の犯罪のギャップについて行けなくなってきた保安官の視点で描かれているんですよね。
今の日本の犯罪が理解できないところとダブるところがあるように感じたんですが、理解に苦しむところもありますね。
デヴィッド・リンチの作品ほどではありませんが・・・。
哲学を学んだイーサン・コーエンの色が強い映画になっているようですね。

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