バーン・アフター・リーディング

quote 「ノーカントリー」で話題をさらったコーエン兄弟の作品。
突然CIAを止めてしまったアル中気味で短気なオズボーン(ジョン・マルコヴィッチ)。CIA時代の暴露を含めた自伝を書くために家に引きこもる。
そのオズボーンの妻で女医のケイティ(ティルダ・スウィントン)は、連邦保安官のどスケベ男ハリー(ジョージ・クルーニー)と不倫中で、オズボーンと離婚を考えている。
奥さんに惚れているのに浮気しまくるハリーは、極秘裏に地下室で何かを作成中。一度も人を撃ったことがない。
フィットネスジムで働くリンダ(フランシス・マクドーマンド)は、男との出会いのために全身整形を考えている。登録した出会い系サイトで、知り合った男とデートを繰り返すうちハリーと出会う。
リンダと同じフィットネスジムでインストラクターをやっているチャド(ブラッド・ピット)は、頭は弱いが体力には自信がある筋肉バカ。iPodで音楽を聴くこととチャリンコにこだわりをもっている。
ある日フィットネスジムのロッカールームで落とし物のCDが見つかる。チャド達はそのCDの中を見てCIAの機密情報と勘違いする。
CDの持ち主がオズボーンであることを突き止めたチャドはリンダと共謀して金を脅しとろうと画策するが失敗してしまう。そのCDをロシア大使館に売ろうとしたことで、CIAに目をつけられ監視されることになる。
超豪華な出演者達だが、それぞれに良いあじ出してます。
コーエン兄弟が作り上げた、お馬鹿でどこか抜けたキャラクター達が上手く絡み合って形になっている。そのキャラクター達が実に絶妙な組み合わせになっていて、それぞれが重要なキャラになっている。
クライムサスペンスのような雰囲気を醸し出しつつ、例の「クスクス」笑いに巻き込まれるコーエン兄弟ファンにはたまらないコメディー映画。



オー・ブラザー!

quote ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」を題材にして、知的な笑いがちりばめられ作られたコーエン兄弟の「オー・ブラザー!」。

1930年代のアメリカを舞台に、3人の囚人が脱獄し宝物を探して旅をする道中を描く。
口が達者で身なりを気にしているエヴェレット、チョットどこか抜けていていつも文句を言うピート、トロくてお人好しなデルマーら3人はエヴェレットが強盗して隠したという大金を求めて脱獄する。

途中に濃いキャラ達が登場する。
中でも黒人でギターが上手いトミーは「魂を悪魔に売って最高のギタリストにしてもらう」と言って3人の車を十字路(クロスロード)でヒッチハイクし乗せてもらう。
彼ら4人はラジオ局で「ズブ濡れボーイズ」と名乗ってレコーディングするのだが、この歌が耳について離れない。

また車を失った3人がヒッチハイクするのだが、この車に乗っていたのが伝説の銀行強盗のベビーフェイス・ネルソンだった。しかも警官とのカーチェイスの真っ最中で3人はとんでもない目に遭う。

ちなみにトミーとベビーフェイス・ネルソンは、1930年代に実在した人物がモデル。
トミーは「十字路で悪魔に魂を売り渡して引き換えにテクニックを身につけた」という伝説(クロスロード伝説)をもつギタリスト「ロバート・ジョンソン」。
ベビーフェイス・ネルソンは、ジョン・デリンジャーらと銀行強盗で名をはせた「レスター・ギリス」である。

エヴェレット役にはコーエン作品に始めてキャスティングされ、その後常連になるコメディー初挑戦のジョージ・クルーニー、ピート役にはコーエン作品常連のジョン・タトゥーロ(今回も良いアジ出してます)、デルマー役にはティム・ブレイク・ネルソンが選ばれている。

「オー・ブラザー!」は、濃いキャラの3人が遭遇する出来事にいつの間にか引き込まれていく。
そう観ている内にコーエンワールドに引きずり込まれるのだ。これがまるでボディーブローのように効いてくる。
観終わった後も思い出すと「クスッ」と笑っている自分がいるのだ。



ちなみにジョージ・クルーニーは「ズブ濡れボーイズ」のボーカルだが、歌声は残念ながら本人ではない。


コーエン兄弟はオー・ブラザー!でもやってくれてます。主人公の異常なまでのこだわり。それが何かは見てのお楽しみと言うことで・・・。

M★A★S★H(MASH:マッシュ)

quote 朝鮮戦争の野戦病院が舞台。医師が不足している部隊「MASH」に呼ばれた二人の医師、トラッパー(エリオット・グルード)とホークアイ(ドナルド・サザーランド)。
彼らはやるべき仕事(手術)はしっかりやっている、しかも凄腕なのだが、軍規を無視してやりたいほうだいやっている。
あるときまじめな女性将校がやってくるのだが、彼らの上司なのにおかまいなしに彼女に悪戯をする・・・。

ロバート・アルトマン監督の出世作の「M★A★S★H(マッシュ)」。
戦場を舞台にしたブラックコメディなのだが、かなり怪しい。ラジオからは日本の歌が流れてくるし、ホークアイら二人の医師がお偉いさんの子供の手術のために日本の小倉にわたるのだが、出てくる日本人はチョット怪しいし、芸者たちも怪しい、だがそこが笑えたりする。
バックに時おり流れてくる放送も、よく聞いていると笑える。軍規を無視するなんて、現実の軍(日本人にはわかりにくいところかもしれない)では絶対にありえないことだし、軍の仕事で日本に渡ってるのに、ゴルフをするとかありえないだろう、しかもアロハ姿でゴルフバックを抱えて軍の病院に行くなんて、笑うしかない。
しかし、合間に出てくる手術シーンが、そこが戦場であることを思い出させてくれる。そのギャップが面白さを引き立てているのかもしれない

ロバート・アルトマンの原点ここにありといった映画「M★A★S★H(マッシュ)」は、見逃してはいけない作品!!観ていない方は是非御覧あれ。


それにしても歯医者の自殺の理由は笑えるな。それに、みんなでそれをからかうのだが、その最後の夜のシーンは、有名な絵画にソックリだ。

ゴスフォード・パーク

quote 舞台は1932年のイギリス郊外の田園地帯にあるカントリー・ハウス、ゴスフォード・パーク。
そこに主であるウィリアム・マッコードル卿(マイケル・ガンボン)と、シルヴィア夫人(クリスティン・スコット=トーマス)に招待された人々が次々と集まって来る、キジ撃ちと、豪華な食事、他愛の無いおしゃべりや他人のゴシップ、貴族たちのパーティーが始まる、そんな中事件が起こる・・・。

この映画「ゴスフォード・パーク」は、ロバート・アルトマン監督の「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」等にみられる得意とする撮り方で、キャラクターそれぞれに焦点をあわせて撮られている、『階上』の貴族たち、一見あまり関係のなさそうな『階下』の召使たち、それぞれが絶妙に絡み合って、最後にはちゃんとつながっている。
まさに「ロバート・アルトマン」ワールドの集大成といってもいい作品ではないだろうか、実に絶妙なのだ。

他の監督には真似の出来ない撮り方だろう。たとえ撮ったとしても、わけのわからないくだらない作品になるに違いない。

私は観終わった後、誰と誰がどうなっていたのか混乱していたので、パンフレットを見直したくらいだ、それだけに観るときは気を抜くとわけが判らなくなってくるので、集中して観るようにした方がいい。

ショート・カッツ

quote これぞロバート・アルトマンという作品「ショート・カッツ」は「マッシュ」と並び彼の作品の中で好きな作品の一つだが、なんといっても出演者が凄い、上の欄はスペースの関係で四人しか入れていないがその他のメンバーを挙げるとジャック・レモン、リリ・テイラー、ロバート・ダウニー・Jr、ティム・ロビンス、フランシス・マクドーマンド、アン・アーチャー、フレッド・ウォード、ジェニファー・ジェイソン・リー、クリス・ペン、マデリーン・ストー、ロリ・シンガー、ライル・ラヴェット、バック・ヘンリー、ヒューイ・ルイス、リリー・トムリン等、個性豊かな俳優たちが出ている。

9組の夫婦と家族たちが絶妙に絡み合って織りなすヒューマンドラマだがうまく表現されている、下手すると複雑になり、くだらないドラマになっていしまうところを、実に巧みな演出で面白い作品になっている。

一人もしくは二人に焦点を当てたパターンのドラマは良くあるがそれらと違って、9組の夫婦と家族それぞれに焦点が当てられ、お互いがなんらかの関係がありどこかでつながっていて、それぞれの夫婦の問題や家族の問題、日常で起こりそうな出来事が、時には面白おかしく、時にはシビアに描かれている、実に絶妙だ。

それにしても、クリス・ペンは大変な奥さんをもらったもんだな。可哀相な役だがはまってるし、笑えるから観てる方は楽しいけど・・・。

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